William G.Pierpont N0HFF
-改訂2版-
第4章
実用になる15語毎分レベルの符号に流暢になる
安定して毎分15語程度のスピードに達する頃には、実用的で心地の良い意思疎通の道具を手にすることになります。 この最初のゴールに達するには、すでにご存知のことを練習し、全部取れないくらいのちょっと早めの受信練習に少し精を出すことです。 ただし、そのようなスピードの押し上げ練習はせいぜい1回あたり1分を超えない程度にすべきです。 この練習が非常に効果的に受信スピードを向上する助けになることに驚かれることでしょう。
瞬間認識
予測すること
もしこの習慣が学習途中やその後において受信の妨げになると気になりだしたら、ただちにその習慣を防ぐ処置をとるべきです。 これは符号習得の習慣形成の初期段階で最も重要なことです。 来た信号を厳密に聞き取ることに集中する鍛錬(自分自身の躾)が必要です。(予測することを防止する助けになる方法を次項に紹介します) 予測していることに気がつきそれが実際の受信の妨げになっていなくても、最良の方法はそれを忘れて入力信号に集中し続けることです。この場合予測自体は害ではありません(私たちは何を聞き・何を読んでいるかを評価する傾向がある。それは自然なことでそれによって受信が妨げられることに落胆する必要はありません。)予測してしまう傾向は私たちに一つの良いポイントを語っています:つまり、私たちがまだ限界に達していないこと、そして正しく進めばもっと早く符号を読めるようになることです。(本件に関するさらなる議論は第11章 を参照ください)
練習に使う材料は
国際アマチュアコールサイン、Q符号、よく使う略号などは良い練習になります、なぜならそれらはいわゆる「ランダム」なもので且つ現実的で後々使えるものですから。 「逆さま英語」も良いでしょう、なぜなら文章を逆に送ることで頻繁に使われる文字を保った練習が出来るからです:例えば
"my antenna is up 50 feet" という文は "ym annetna si pu 05 teef," または "teef 05 pu si annetna ym." と送ります――これで「単語」を予測することはできなくなります!。この章の最後に掲載した頻出単語100はとても良い練習になります。 これによって頻出単語に慣れるだけでなく符号になじむのを加速してくれます、さらに続けることで益々腕が上がるでしょう。 他の練習材料と並行して、これらの頻出単語が一つの単語として聞こえるようになるまでこの練習を続けましょう――符号の音のパターンが意味をなしてきます。 頻出単語100の練習と共に、よく使われる "of the" や "I am," などのフレーズの練習をしましょう。( 第22章参照)ここで再び、反復の重要性を強調しておきます。ここに上げた頻出単語を音の単位として脳裏に焼き付けるための最良の方法は先に進む前に各々の単語を何度も何度も繰り返すことです。一つの単語が少なくとも3回から5回繰り返されるようにキーボードやパソコンを使って符号を発生させるテープを作ります。 聞き取った後にそれぞれの単語を発声できるように単語の間隔は十分空けます。それから各単語が送信されたら即座にその単語を自分に向かって発音しながらテープを繰り返し聞きます。 普通に座って聞いたり話したりしているように自然に、容易になるまで単語の聞き取り練習をします。 自分自身をとことんそれらの単語になじませることです。
その他の方法:
例えば、先生が
"was"という単語を送るとします、生徒はWを耳にしたら"w-"を思い浮かべます、それからAを聞いたら前のとくっつけて(WA)と考えます、最後にSが聞こえて静かになったら、単語は"was"だと考えます。 そして生徒は直ちにそれを先生に送り返します。生徒は何も書き取りません。 2文字の単語から始めて、生徒の上達に応じて4あるいはそれ以上の文字へと進めます。 これはゲームであることを忘れないで下さい。たのしくやりましょう。繰り返しになりますが、単語の中の文字にこだわらないようにしましょう、それよりもそれら文字を現す音声を入ってくるままくっつけてゆきましょう。どれくらいの期間そしてどんな種類の練習をするのか?
指導者は受信練習において書き取りをしないことに重きをおくものと、書き取りに重きをおくものに分かれます。どちらもやるのがベストではあります。ある指導者は符号を覚えたすぐ後からは生徒に書き取りをしないようにさせます。生徒にただ聞くだけを良しと薦めます。それはできるだけ書くことに気をそらされずに音のパターン認識を形成・強化するためです。
. (第7章 第8章.参照)送信術の練習に関しては、良い符号がどのように聞こえるものかわかるようになるまで始めるべきではありません。生徒が自分の貧相な符号や不正確な間の取り方を耳にしてやる気をなくさないで、良い符号を正確に真似できるように音声パターンが確固として心の中に形成されている必要があります。少なくとも受信能力が約10語毎分に達するまでは電鍵を使用するのを延期することがベストです。 正確に形成された符号とスペーシングのタイミングとリズムで美しく完璧な送信術を常に心がけましょう。 完璧を目指してそれ以下で満足しないことです。 ( 第9章参照)
初期の送信術の練習のひとつとして符号を聞き取り、それを送信し、次を聞いてそれを送る、・・というやりかたがあります。 あるいは生徒と指導者が同時に短い単語をいくつか続けて同時に送信して、同調するように練習する方法も良いでしょう。
書き取りは認識の精度の確認と、改善が必要な部分の見極めのために役立ちます。最初のうち予測してしまうことを避けるためにはランダムな単語列を使うことが望ましいです。 何も書き取らずに聞き取り練習することは大きな意味と価値があります。 能力を向上させるためには聞き取れる限り早いスピードにすることです。そして時々短い単発練習としてもっと早いものを入れます。これはもっと早い認識に精神的に慣れることに役立ちます。
どれだけ早く符号を受信できるか決定付ける大きな要因は「グルーピング」にあることがわかりました。 「気味」の無いものを対象にするとスピードが落ちる傾向があります。 どんな技能レベルにおいても、ランダムな符号は最も遅く、その次に単独の、関連性の無い、そして馴染みの無い単語が続きます。最も早い受信速度はつながった文章のときに出ます、それはランダムなときの2倍以上になります。(たとえ無意味な文章であってもそこに馴染みのあるパターンがあるのでかなり早く受信できます)認識のスピードアップの一助にグルーピングは密接に関係しています。
もう一つ知っておくべきことがあります。それは:実際の無線通信を聞いて練習する場合、信号を「ひろう」ことに集中しなければなりません――なぜなら信号が弱かったり、混信があったり、空電があったり符合が不規則だったりする(それらが組み合わさってさらに取りづらくなった)なかから通信内容をひろいださなければならないからです。こういう訓練は物事の意味をつかもうとする意識を活性化します。この意識が活発になればなるほど無意識にによる感受性は消えてしまいます。このような精神的不調和は初期段階における受信速度向上時期の上達スピードに影響を及ぼすばかりか全く受信できなくなることさえあります。
送信されているものが馴染みがあるということは学習を容易かつ早くします。 オペレータにとって馴染みの無い単語は間違ってコピーされやすいものです。単語をばらばらにするより繋がった文章の方が約50%上達が早いです。 単語でもない文字の集合の場合は通常の文の場合に比べさらに多くのミスがでるようです。
行き詰まること
7~10語毎分くらいの速さでこれが起こります。なぜなら符号をまずある種の中間形(例えば精神的画像)に「翻訳」してからそれを再び通常の文字に翻訳することをしてしまうからです。それは2段階の動作で正しい1段階の動作(例:「トツー」は「A」)よりも余計な時間がかかってしまいます。そういう状況はある種の古い時代遅れの学習方法を使った結果です。繰り返しになりますが、最初に符号があまりにゆっくりと遅れれると生徒は短点と長点の数を数えてしまいそれを分析して翻訳してしまいます。かつてのオールドタイマーオペレータは長期間の練習によって20語毎分あるいはそれ以上の速度まで習慣的に符号の数を数えて翻訳していたことを知りました。それが彼らの学習方法であったのですが、なんと時間のかかる無駄な努力でしょう! 数えること、分析することいずれも意識を使いつづけることであり、介在すべきでない分析しようとする意識が入ってしまいます。 これは私たちの学習を阻害し必要の無い疲労になります。 あるオールドタイマーは書いています「一旦、話し言葉のように[符号]に馴染んだらもうプラト-はおこらない」。
頻出100英単語
go am me on by to up so it no of as he if an us or in is at my we do be and man him out not but can who has may was one she all you how any its say are now two for men her had the our his been some then like well made when have only your work over such time were with into very what then more will they come that from must said them this upon great about other shall every these first their could which would there before should little people
(これらの内6個は(0)を送るのとと同じ長さです: are him men on so no。 14個はそれよりも短いもの: the its to; us am if; as be we an; me at is; it。これら頻出100単語を、聞き取ること、コピーすること、送信すること、は良い日々の練習です。また、良いタイピング練習にもなります。)
試験に合格すること