無線電信の巧みと技
William G.Pierpont N0HFF
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改訂2版-
第17章 よくある誤りと対処方法
第16章 目次 第18章
送受信時エラーは時々発生します。
優秀な通信士は送信中に殆ど誤りませんが、特に様々な悪コンディション下での送受信中においてエラーが発生することがあります。送信時に誤りやすい符号と悪コンディション下で誤って受信されやすい符号があることを予め知っておく必要があるでしょう。それらは次のようなものです。
- 短点エラー:短点が欠落あるいは余分に付加される場合:
Hと5、SとH、Bと6、Vと4、Zと7 など。
- 最初あるいは最後の短点、長点が欠落あるいは不明瞭な場合:
Jと1、CとY、PとJ、ZとQ、WとJ、WとP など。
- その他初心者が良く間違える文字:
FとL、GとW、YとQ、6と5 等、これらは練習経験を積むことにより熟達します。
練習を進めていくと何度も同じ誤りを繰り返してしまう事があります。もし2つの文字を混同する傾向があるならば、ヒヤリング練習でその文字を交互に聞いて各文字のリズムの違いが明確に認識出来るまで続けます。
実際の受信時に明白な文字抜けなどが生じている場合には文の前後関係からその意味を判断します(ただし数字、規則性の無い文字列、あるいはコールサイン等の場合には通用しません)。 通常あなたが送信時に誤りに気づいた場合、次のようにオペレーションすると良いでしょう。
- ?あるいは短点8つ(HH)で誤りを示して送信を中断し、正しく送った最後の単語(もしそれが短いなら)を再送し、その後に続けて間違えた単語を正しく送信します。
- あまり重要でない事柄を伝送するラグチュウ等では誤った場合には一瞬送信を止め、続けて正しい語句を送ります。
- 同様に誤った語句が長い場合で最初の音節くらいまで正確に送信出来ていて、確実に受信側が意味を理解できている(と思われる)場合には、送信にちょっと間を空けたあと次の語句の送信を続けます。
(間を取ることで問題点があったことが受け手に伝わります)
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