周波数はだれのもの?


あなたはA局のCQに応答してA局とQSOをしました、73を交換して交信が終わったとホットする間もなく、同じ周波数でB局があなたをコールしてきました。A局がCQを出していた周波数ですから、そのまま応答してしまっていいのか迷いますよね。 本来「周波数の占有権」(FMでのチャンネル権)などというものは存在しないのですが、コンテストや混雑したバンドでクリアな周波数を確保するのが難しい状況では最初に使っている局(このばあいA局)に配慮すべきでしょう。  

対応例1:B局のあなたへの呼び出し直後A局から特に反応がなければ、あなたはB局に応答する。 もし、A局がその周波数を引き続き使いたければ、B局のあなたに対する呼び出しを無視してCQを出し始めたり、PSE QSY(周波数を移動してください)と打ってくるでしょう。 逆に、CL (Closing station閉局しますという意味) や GA (Go aheadどうぞ (この場合、どうぞ使ってという意味))と言って周波数を譲ってくれる場合もあります。譲ってもらった場合はTU (Thank you) とお礼を言ってからB局に応答をすれば気持ちよくQSOが続けられます。

対応例2:B局の信号がA局にはスキップして入感していない場合もあります。逆にあなたには入感しないC局がA局を呼んでいるかもしれません。そんな状況で、A局の反応がないこと=周波数を譲ってくれたと思い込んでB局に応答し始めると、同じ周波数で2つのQSOが始まってしまったりして厄介なことになる可能性があります。そういう問題を回避するには、呼ばれたら自分がQSYすることです。 比較的すいているバンドならQSY UP1 (1KHzアップしてください) などど打ってQSYしてB局をコールします。混んでいる7MHzなどではUP1 などど打って1KHz 上にQSYすると、そこには既に先客がいることが多分に考えられますので「QSY UP E E E E」と短点を連続送出しながらゆっくりダイヤルを回し、B局を誘導する方法もよいでしょう。 ただその周波数で既に交信している局がいれば更に上に周波数を変更します。そして「QRZ? DE ***」と交信に入ればいいかと思います。QSYした先の周波数が使われているかどうかは「QRL?」と送出して確認する方いますが、周波数確認に手間取っていると相手が迷子になってしまうかもしれません。特にあなたがQRPの場合、あなたが動いてしまうとB局はあなたを見失ってしまう可能性が高いことを念頭に入れておくべきでしょう。
(注1:この場合QSK(フルブレークイン)で常に他局に混信を与えていないか聞きながら周波数移動すると良いでしょう。注2:周波数を下げる場合はQSY DWNまたはDNです。)

対応例3:A局に少し遠慮しつつも、QSYしたりするのが難しいと判断した場合は「BK QSL UR 5NN BK TU」だけでも交信としては成立しますのでRSTレポートの交換だけで終わっても良いでしょう。あなたがQRPpの場合はQSYするよりもこの方法が無難かもしれません。

対応例4:QSOを望まなければ、B局の呼び出しに応答しない、または「CL E E」と意思表示して自ら引っ込んでしまってもかまいません。応答するかどうかは呼ばれた側に決定権がありますので、あなたがA局とのQSOで満足してB局とQSOしたくなければあなたはべつにB局の応答に答える義務はありません。 
余談ですが、あなたがCQを出している場合も同じです、あなたのCQに対して呼んできた局の中からどの局に応答するかはあなたの自由です。 CQに対して「R R de JA***」と変な呼び方をしてくる局や、いきなり和文で話しかけてくる局、指定を無視した局などに応答する必要は全くありません。 

(出典:CQ Hamradio 2002/9 CW特集 by A1 CLUB)