2023年 A1CLUB非常通信訓練 結果一覧 アクティベータ予定表 実施要領
JA1XRQ報告 ↓
アクティベータ報告
①コールサイン:JA1XRQ/P
②運用日: 3月11日、12日
③同時間: 3/11 9:00~11:00 19:00~19:30
3/12 6:00~6:30 9:00~11:00
④移動場所: 自宅
⑤バンド: 7MHz (3.5MHz、14MHz、21MHz、28MHz)
⑥リグ: (tr)uSDX
⑦送信出力: 3.5MHz:2.5W 7MHz:2.4W 14MHz:2.9W 21MHz:1.4W 28MHz:1.8W
⑧アンテナ: 自作EFHW 5mH 逆V字型に伸展
⑨電源: lithiumBattery 18659×3
⑩移動手段: 徒歩
⑪詳細:
3/11 庭先にアンテナを設営。運用設備を準備する。
逆V字型になるように真ん中の部分を5m程の釣り竿で高くし、給電点側は1mの同軸ケーブルでリグに接続、他方はできるだけ広げるように植え込みに縛り付ける。
先日予行練習をした際、いろいろ不具合を見つけたので改善した。ます、予行で不安定な姿勢で運用したら短時間であったにもかかわらず大変に疲れたことから今回はテーブルを出し、背もたれのある椅子を用意した。長時間の運用では楽な姿勢で運用できることが大事と思う。設営する際には自分がどのような姿勢で運用するのかを考慮して、配置などを行わないと長時間の運用は無理だと感じた。寒さも大敵である。特に風が吹き込む状況ではじっと座っていると体温がどんどん奪われていく。風よけや防寒対策が必要である。
また、屋外での運用では騒音があり、受信に支障があるためヘッドフォンは外部の音が聞こえにくいタイプのものを使用することにした。
CQの繰り返し送信が多くなるため、リグに内蔵のキーヤーよりも外付けのものの方が操作しやすい。2chのメモリーのあるキーヤーを取り付け、ボタン一つでCQを送出できるようにした。パドルはコードを長くした手持ちの方が自由な姿勢で運用ができる。
パソコンを持ち込めればログの処理がしやすいのだが、荷物を減らしたい場合には紙ログでも致し方ない。時間とコール、RSTだけメモするようにして後から整理するようにした。
時計は見やすいものが欲しいので、卓上用の電波時計を使った。
筆記具は雨にぬれてもよいように油性ボールペンを用意した。
9:00から運用開始
この日のOAMが行われていた周波数より上の7.030MHzで呼びかけを始める。CQを繰り返すと、最初の局から応答がある。その後もぽつりぽつりと応答があるが、空振りの方が多い。
10:30、14.060MHzにQSY。CQを出すが応答がない。少し上の周波数を聞くと移動している会員局が出ていたので呼びかけ、交信する。電波が飛んでいいることを確認できたので14.060MHzに戻りCQを出すが応答なし。21.060MHz、28.060MHzでも同様、空振りを繰り返す。
10:50、7.030MHzに移りCQを出す。1局から応答があり11:00になったので終了。
19:00から運用、30分間
3.5MHzでの伝播を期待して短時間CQを出す。午前中呼んでいただいた局からコールされる。その後、0エリアの会員外局からのコールがあり、2局で終了。
3/12 6:00~6:40 3.516MHzで運用。
朝の伝搬を期待して運用するガ、会員外局2局から声をかけてもらう。朝の諸々の用事のため運用を終了する。
9:00~11:00の運用
この日、7MHzでコンテストが行われていて、CQを出せる周波数が見つからない。7.004MHzで運用を始める。4局からお声がけをもらう。10:20 14MHz、10:30 21MHz、10:36、28MHzでの運用を行うが全く応答がない。10:40から7.004MHzに戻って運用を行う。コンテストの賑やかな被りが聞こえるが応答なし。11:00終了・撤収。
運用実績
Time Call His My Freq 9:16 JM7JHI 599 559 7 9:18 JH0IGG 599 579 7 9:37 JP7MLT 599 459 7 9:54 JI2SVL 599 599 7 (10:36 JE9KZK/9 599 599 14) 10:50 JS2AHG 599 539 7 19:04 JH0IGG 559 559 3.5 19:27 会員外局 599 599 3.5 6:21 会員外局 599 599 3.5 6:27 会員外局 599 599 3.5 9:21 JA4MRL 599 319 7 9:31 会員外局 599 599 7 9:44 会員外局 599 599 7 10:14 会員外局 599 599 7
アクティベーターとして参加しての感想
〇運用設備
昨年はアンテナにMLAを用いたため。運用実績が2局にとどまっていた。今年はもう少し交信局数を伸ばしたいと考え、自作のマルチバンドTrap EFHWを用いた。仮設でありながらしっかり飛んでくれたと思う。このEFHWアンテナは、給電部を直接リグに取り付けることも出来、嵩張る同軸ケーブルを持ち物から外すことができるのはメリットである。今回は細い1mの同軸ケーブルを用いた。
リグとして掌に乗るようなQRP機を使用した。出力は2~3W程度ではあるが、伝播状況に影響されるも3.5MHzや7MHz帯でなら被災地外と十分に繋ぐことができる。出力が大きいことに越したことはないが、可搬性や電源のことを考慮すると、このような小さなリグも十分選択肢に入ると考える。
18650リチウム電池3本を使用した運用だったが、フル充電したもので2日間の運用を賄うことができた。あれだけ空振りのCQを繰り返したが、十分な容量であった。
耳全体を覆うヘッドフォンを使うことで、野外での騒音から逃れることができて快適な運用となった。また、運用時に周囲に音が漏れず、周りの人々への配慮になると思う。
外付けのメモリーキーヤーは、楽な姿勢での運用に適していた。リグに手を伸ばすことなく、快適にCQを出し続けられた。
〇設営
コンパクトな設備なので、運搬も楽で20分ほどでセッティング、即運用を始めることができた。ちなみに撤収は10分ほどであった。
アンテナポールの固定に伸縮性のベルトにベルクロのついたものを使ったが、立ち木などに沿わせてポールを留めるのに便利であった。
長時間の運用では楽な姿勢で運用できることが大事である。できるだけ現地で活用できるものを使い、無理な姿勢にならないように配慮しつつ設営を行うよう心掛けたい。ひざ掛けなどがあるといろいろな使い方ができる。
〇運用
QRPでの運用では、CQを出すより、聞こえている局に呼びかけをした方が交信の成立する確率が高いと思われる。1日目、14MHzでの運用でCQを繰り返すが応答がなく、電波が出ているか心配になり他の周波数を聞くと移動局が聞こえたので呼びかけた。何回かやり取りがあり、交信が成立した。弱い信号では気づいてもらうことが難しい。CQを出している局は誰かから呼ばれているのではないかと注意深く聞いているので、こちらからの呼びかけに気づいてくれることが多い。交信を成立させるためには、その状況でお空に出ている局に呼びかけた方が交信を成立させやすいと考える。アクティベーターとして情報を送りたいとき、聞こえている局を捕まえて情報を伝達してくれるよう依頼する方が効率的だと思う。
HFを使っての非常通信では、2局間での情報伝達だけでなく、その情報を支援の輪の中で共有できるようにいかに繋げるかが重要だと思う。被災地外なら有線や携帯電話も使えるであろうから関係機関と繋ぐことができる。その状況をも視野に入れてさらに訓練、行動想定をしていくことが必要と考える。
今回の訓練では、アクティベーターとして参加する局名、周波数帯、時間帯は公表されていた。しかし、人と人が出合う時のように「いつ、どこで」ということが明確でないため、相手を探すのが困難であったと思う。「どこで」に当たる周波数ははっきりとはわからず、伝播状況にも左右される交信である。微弱な信号を見つけるのは至難である。私に呼びかけてくださった局も会員外の方が多かった。訓練とは知らずたまたまCQが聞こえ応答してくれたのだと思う。こうした偶然の繋がりがアマチュア局の非常通信なのだろうと思う。
さまざまな災害がいつ起こるかしれない状況で、想像力を膨らませて、今できる準備をしておくことは大事だと思う。今回の訓練でいろいろと気づくことがあった。このような機会を設定、運営してくださいったA1クラブの関係者の方々にお礼を申し上げたい。お世話になりました。ありがとうございました。
Ja1xrq 髙山繁一